劇場に現れる蕎麦屋さんへ
いわゆる若手俳優がメインの舞台に通い始めて4年ほど、楽しいこともあったし腹たつこともあったし、悲しいこともありました。
あんまり文句ばっかり言いたくないけど、前々から気になっていて、ここにきて苛立ちがピークになっていることがあるんですね。
それは客席での過剰なすすり泣き。
私は特に、人が過剰に泣いてるのを見たり聞いたりすると、途端に気持ちが冷めてしまいがちで、それでも映画館や小劇場ではそんなに誰かのせいで嫌な思いになったりなんてほとんどなかったんですよ。
でも、この間観に行った「刀剣乱舞」のミュージカルで、あまりにも啜り泣きを聞いてしまって、本当に辛かった。
私と友達の間で、そういう啜り泣きのことを「蕎麦屋」って表現してるんだけど、まじで梅芸が蕎麦屋さんになったみたいだった。
ずっずっずっっず・・・はー・・・ズビっ
「お、今日もやってるね?」
やらないでください。
もちろん感情が高ぶって、感動して泣くことはあると思うんです。私もうるうる、ぼろぼろと泣いたことがある。でも、なんていうのかな、あまりにも周りに響き渡るような音では鼻水をずっずずっず何度もなんどもすするのはいかがなものか。美しくないよね。
私は問いたい。
「ハンカチ持ってないの?!」
劇場はただでさえ音が響きやすい。それは舞台からだけでなく客席からの音もそう。咳、鼻水をすする音。劇場は乾燥するし、どうしても自分でコントロールできないときあるよね。わかる。そしたらハンカチを口にあてようよ。
もしかしてだけど、俳優に「今あなたの演技で感動して泣いてるよ」ってアピールしたいのかもしれない。
ごめんだけど、客席と舞台はコミュニケーションする場所じゃないんだよね。
そういう舞台だってあるけど、ほとんどはそうじゃない。見えない「第3の壁」ってやつがあるの。
感動したなら手紙書いたり、ツイッターやブログにコメントしたらいいと思う。きっと俳優さんも喜ぶよ。
蕎麦屋の他にも若手俳優舞台にいくと遭遇するノイズたち。本当たくさんある。
おしゃべり。
わかるよ。友達が隣にいたら推しのかっこいい姿みて「今の最高じゃない?!」って言いたいよね。でもね、ここは劇場。あなたの声は必要ない。それは自宅でDVD鑑賞してるときにやろうよ。
独り言。
「え?!」とか「かわいい」とか思わず出てしまうあなた。気を緩めすぎてないかい?何度も言うけどここは劇場。たくさんの人が、舞台を見てる。あなたのその言葉で、音で、劇の世界に引き込まれていた気持ちが一瞬で引き戻されてしまうんだよ。
どうしても出ちゃうって人は、ずっと口に分厚いタオルでも当てといてくれ。もしくはこないでくれよな!
他にごそごそと動いたりビニール袋ガサガサとかもあるけど、そこまで遭遇してないかな。
とにかく、劇場って、何百人もの人が一緒に同じものを観に来てるから、できるだけ嫌な思いをさせないようにしたほうがいいと思うよって話でした。
そばは劇場じゃなくて蕎麦屋で食おうな!!!!