世界で一番かわいいです

舞台、特撮、映画、エンターテイメントをツイスターゲームのごとく楽しんでいます。

言葉と肉体の洪水に溺れる『半神』

www.hanshin-stage.jp

 

雑感

大阪公演観てきました。めちゃくちゃ良かったです。

 

もともと原作が好きだったし、こういう小劇場とかアングラ・実験的な舞台も好きだったので大いに楽しみました。野田秀樹さんの舞台、なにげに見たことなくて(見たいと思っても毎回チケット争奪戦がしんどい…)中屋敷さん演出で触れられて良かったなと。NODA・MAPいつか絶対みたいな。

 

そしてまさか「半神」に太田さんが出るとは思ってなかったので嬉しい。きっと黒ステで中屋敷さんとのご縁があったからですね。中屋敷さん、ありがとうございます…!

 

あらすじ・脚本について

痩せこけて醜い容姿ながら高い知能を持つ姉のシュラ(桜井玲香)と、誰からも愛される美しい容姿だが知能が低く話すこともできない妹のマリア(藤間爽子)。だが、2人の身体はつながっている結合双生児の姉妹だった。姉のシュラは、いつまでも愛らしく無邪気で周りの人々の寵愛を一身に集める妹のことを疎ましく思いながらも、マリアを支えつつ2人で生きていた。
しかし、10歳を目前にして2人の身体はその負担に耐え切れず衰弱してしまう。救う方法はただ一つ、2人を切り離すこと。果たして、2人のゆく先は……?

                              ホームページより。

原作は萩尾望都さんの傑作短編漫画『半神』。わずか15ページの原作ですが、何度読んでも素晴らしい名作です。未読の方はぜひ。

半神 (小学館文庫)

半神 (小学館文庫)

 

この原作を野田秀樹さんが大胆脚色。おそらく萩尾さんの作品の『霧笛(原作:レイ・ブラッドベリ)』からの引用も多いです。 『ウは宇宙船のウ』に入ってます。

ウは宇宙船のウ (小学館文庫)

ウは宇宙船のウ (小学館文庫)

 

 

肉体と言葉の洪水

natalie.mu

膨大なセリフに加え、運動量も半端なく、洪水にのまれるような2時間でした。

 

この記事の写真にあるとおり、セットの木の床がなだらかに傾斜していて、更に舞台奥で急激なカーブを描いて直角に立っていて、IMPの見づらい客席(前方列がフラットなんですよ…)でも見やすいです。ありがたい!

 

しかし反面役者の体にはむちゃくちゃ負担がかかっていると思われ……

傾斜のなか、踊ったり走ったりが多いし、また壁にはブロック状の棚みたいなものがあって、そこに飛び乗ったりクライミングのように登ったり引っかかったり。

私の見た回、なんどかけつまずいたりしてる人がいてハラハラ。

 

ダンスが多用されていたのですが、モノにしてる人と、体に馴染んでない人の差がはっきり見えてしまって気になりました。

 

セリフが早口&情報量多くてお頭がパンクするかと思いました。しかし終わったあとには心地いい疲労感。「あー…お芝居、見たな!」

 

キャストについて

 

シュラ…桜井玲香さん

いやー素敵でした!音楽番組をめっきり見なくなったのですごい人気らしい。乃木坂。くらいしか知識がないんですけど(申し訳ない)アイドルされている上で培われたものを遺憾なく発揮されているんだろうなという印象。早くて鋭い動き!

桜井さん自身はすごくきれいな方なので、どうやって醜いシュラを演じるんだろうと思ったら、ボサボサの茶髪に低ーい声で醜さを表現。なるほどなー!

めっちゃかっこよかったです。

 

マリア…藤間爽子さん

シュラと反対になめらかで美しい動き。日本舞踊の方なんですね。

あどけない笑顔と透明感が素敵。

シュラマリア、衣装がよかったなー!そしててっきり布とかでくっついてると思っていたけど完全に独立した衣装で、動きで「二人で一人」を表現してるのが良い。

 

先生…太田基裕さん

原作では完全にシュラ(漫画ではユージー)に感情移入してたんですけど、私が太田さんファンということもあってか、脚本の構成のせいか、家庭教師の目線が一番観客に近いような印象でした。面白い。

不思議の国のアリスみたいな立ち位置だなと思いました。

「割り切れない世界」というキーワードがよく出てくるのですが、その世界に翻弄される双子と、その双子に、なくなったおじいちゃんに翻弄される姿が異世界に迷い込んだ我々と親しくて、ほっとする役どころ。

entertainmentstation.jp

 

この記事でも不安を漏らされてますが今回太田さんすごく悩んだろうな…とか苦しそうだな…と思うことが多々あり。

それがなんか悩める「先生」としての相応効果をなしていていい化学反応だったんじゃないかなと思います(贔屓目?)真面目な方なので、すごく悩んだ軌跡が見える。

余裕ある姿より、あわあわしてたり、チャレンジされてる姿をみたいので、これからもいろいろ挑戦してほしいなーと勝手に思いました。(スパルタオタク)

しかしこんなに膨大なセリフを喋る推し初めてかもしれんな…と感動もしました(笑)

 

 

あとダンスが馴染みないコンテンポラリーダンスということもあってか体に馴染んでなさすぎて良くない意味でどきどきした…芝居してるときの動きはいいのに…

「ああ、振り付けられてるのを動いてるんだなあ」って瞬間が多々あって…振り付け…もう少し太田さんの体に合った動きを付けて欲しかったな…

 

あと書生姿最高。

なんでブロマイドないんですか!!!!!!

 

右子・ガブリエル…田中穂先さん

黒ステでみた穂先くん、めっちゃ上手いなーって黒ステから思ってたけどやっぱりうまかった。背も高いし体も効いて、女装も似合ってて素敵。柿喰う客また見ないとだわ。

 

左子・マーメイド…浅場万矢さん

声がめちゃくちゃ聞き取りやすくて心地いい…面白くてきれいで気づいたら出番を待ってた

 

老数学者・老ドクター…松村武さん

すごかったー…きっと野田さんの役だなとすぐわかる、かき回しまくるキーマン・トリックスター。ドキドキさせられる。

 

まとめ

中屋敷さんの演出やっぱ好きだわ…と革新したので今度は作・演も中屋敷さんのを見たい。

 

最近はミュージカルが多かった太田さん。ストレートもやっぱりいいなって噛み締めました。声がいいの…あと毎回ばか?って感じですけど「大きい…」って思う…女の人も多かったからかな。スタイルがいいって素晴らしい〜

 

惚れ直しました。毎回惚れ直してるしずっと惚れてるんですけども。

 

何かございましたら。

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